HGOで基線解析検証

V30 GNSS Static 測位実験

Static Test

Hi-Target社製GNSS測量機「V30」を使用して実際の三角点を測量し、国土地理院の基準点成果との 比較を行いました。
基線解析ソフト・Hi-Target Geomatics Officeの使用方法については、こちらをご覧ください。

観測

スタティック観測図

上図の通り二等三角点「飯塚」上にGNSS受信機を設置し、周囲の電子基準点を与点としてStatic測量を行いました。 観測は午前と午後にそれぞれ2時間づつ、合計2セッション(347A・347B)です。

基線解析

観測したStaticデータと、国土地理院のホームページよりダウンロードした各電子基準点の観測データを基に、 基線解析ソフト・Hi-Target Geomatics Office (以降HGO)を用いて基線解析を行います。
解析の結果、合計6本の基線が計算されました。各基線の解析結果は個別にエクスポートすることができます。 以下のリンクは、セッション347B【飯塚~柏崎1】基線の解析結果です。
セッション347B【飯塚~柏崎1】基線解析結果

重複基線の較差 および 異なるセッションの環閉合差

重複基線の較差は【Repeated BaseLines】タブ、異なるセッションの環閉合差は【Async Loop】タブに表示されています。

環閉合差、重複基線較差

環閉合差 柏崎1~小千谷~飯塚~柏崎1

環閉合差(ΔX,ΔY,ΔZ)-0.3mm4.5mm1.4mm
環閉合差(ΔN,ΔE,ΔU)-0.001m-0.003m0.003m

環閉合差 柏崎1~新潟三島~飯塚~柏崎1

環閉合差(ΔX,ΔY,ΔZ)-5.8mm-1.7mm7.2mm
環閉合差(ΔN,ΔE,ΔU)-0.004m-0.005m0.007m

重複基線較差 柏崎1~飯塚

較差(ΔX,ΔY,ΔZ)4.5mm0.1mm-5.2mm
較差(ΔN,ΔE,ΔU)-0.002m-0.003m0.006m

網平均計算

与点として使用した電子基準点の基準点成果は、国土地理院のホームページより確認できます。 基線長が長いので、地殻変動による誤差が無視できません。基準点成果(元期)をセミダイナミック補正により 今期座標に変換してHGOに入力します。

網平均、今期座標入力

与点すべての今期座標を固定して厳密網平均を行います。結果、新点の座標が算出されました。以下のリンクは、HGOが出力した計算結果です。
網平均計算結果(HGO)

基線ベクトルの各成分の残差 および 算出された今期座標

上記計算結果から、平均計算後の基線ベクトルの残差を抜き出すと、以下の通りです。

基線名 残差X(m)残差Y(m)残差Z(m)
飯塚~柏崎1 0.0020-0.0097-0.0199
飯塚~小千谷 -0.00760.00780.0304
飯塚~新潟三島 0.0048-0.0012-0.0012

網平均の結果、算出された新点「飯塚」の座標は

  X(m)Y(m)U(m)
楕円体高
ジオイド高(m)
日本のジオイド2011
標高(m)
飯塚 154478.536820015.3657338.9545 39.3622299.5887

元期座標にセミダイナミック補正して、基準点成果と比較する

網平均計算によって得た座標は、今期座標です。セミダイナミック補正により元期座標に戻し、 基準点成果と比較します。

  観測結果(元期)基準点成果
世界測地系(測地成果2011)
較差
平面直角座標X(m) 154478.5974154478.6070.0096
平面直角座標Y(m) 20014.925520014.912-0.0135
標高(m) 299.589299.60.0110

HGO 基線解析デモ(動画)