ネットワークRTK 間接法による測量実験
観測
間接法により長岡市街区基準点を観測し、手簿記簿帳票~ベクトル点検~網平均計算まで行いました。

仮想点座標は自動発生させるか、指定座標で生成させることも可能です。今回は、観測前にコントローラに登録
しておきました。
上図の観測図に基づいて以下の手順で観測を行います。
一台準同時式で観測点間基線ベクトルを算出します。観測点間の移動時間はなるべく短くなるように注意します。
セッション113A:仮想点1でVRS点を生成し、303→2→2→1→1→301の順に観測(往路)
セッション113B:仮想点1でVRS点を生成し、301→1→1→2→2→303の順に観測(復路)
セッション113C:仮想点2でVRS点を生成し、303→2→2→302の順に観測(往路)
セッション113D:仮想点2でVRS点を生成し、302→2→2→303の順に観測(復路)
*点検測量 セッション113E:仮想点2でVRS点を生成し、303→2の順に観測
観測中に、基線ベクトル・重複辺較差のチェックを行うことができます。以下の例ではセッション113Aと113Bそれぞれで 得た基線ベクトルの較差を計算し、制限内かどうかを確認します。(303~2、2~1、1~301)

データの転送と、観測手簿・観測記簿の帳票
観測データは、専用のCSV形式でエクスポートします。エクスポートしたファイルをPCへ転送し、手簿記簿帳票用の ソフトウェアで出力します。
基線ベクトルの点検
観測した基線ベクトルから、観測点間の基線ベクトルを計算します。算出後、基線ベクトルの重複辺較差および、点検測量の重複辺較差を 点検します。
網平均計算

仮定網平均計算
既知点301のみを固定して、網平均計算を行います。使用した既知点が正常であれば、網平均計算結果と
成果座標に大きな差は発生しないはずです。
基線ベクトル各成分の残差と、固定しなかった既知点の閉合差が制限内かどうかを確認します。
仮定網の場合は平均図が閉じていませんので、このままでは網平均計算ができません。赤点線で図示した
基線ベクトルも加えて網平均に回します。
実用網平均計算
仮定網平均計算結果がOKであれば、すべての既知点を固定して網平均計算を行います。 実用網では、仮定網で使用した基線ベクトル(赤点線)は使用する必要はありません。 新点の標準偏差が制限内かどうかを確認します。(3級基準点の場合、基線ベクトル各成分の残差はチェックしません)
成果座標との比較
網平均結果を成果座標と比較します。間接法の場合は観測した基線ベクトルから、観測点間の基線ベクトルを算出していますので、 網平均計算に使用できる分散共分散行列データはありません。固定重量で計算します。
